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心臓生検の病理画像から移植拒絶反応を評価するAI

心臓移植患者では、移植された臓器が免疫系から攻撃を受ける「拒絶反応」がみられる。拒絶反応の初期には症状が現れないことがあるのに加え、心臓生検による診断の際、専門家間でも重症度判定に一定のばらつきがみられる。このような課題に対処するため、米ハーバードメディカルスクールの研究チームは「心臓拒絶反応評価AIシステム(CRANE: cardiac rejection assessment neural estimator)」を開発している。

ハーバード大学の発表によると、CRANEのAIモデルはブリガム・アンド・ウイメンズ病院で採取された1,300件以上に及ぶ「心臓生検の病理画像」を用いてトレーニングされた。モデルの検証結果では、拒絶反応検出・サブタイプ分類・グレード分類において従来の評価手法に劣らない性能を示し、観察者間の評価のばらつきを低減し、評価時間の短縮を実現した。最新の研究成果はNature Medicineに掲載されている。

同大のインタビューに対し、研究を担当するブリガム・アンド・ウィメンズ病院の病理学講座助教であるFaisal Mahmood氏は「医学の歴史において、診断と評価の大半が主観的なものであった。しかし、演算ツールのパワーによりその歴史が変わり始めている。臨床の専門家と、コンピュータサイエンスの専門家が共になり、事態をシフトする時が来た」と語っている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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