RSIP Vision – 前立腺がんMRIのPI-RADSスコアリング支援AI

前立腺がんの画像診断にMRI検査が中心的役割を果たすなかで、「PI-RADS(Prostate Imaging–Reporting and Data System)」という標準撮像法およびスコアリングシステムの利用が一般的になった。しかし、PI-RADSは臨床的な有用性の一方で、がん病変の特徴記述やスコアリングに関して時間を要する手作業があり、観察者間でのばらつきも大きいといった課題がある。イスラエルから米国へと事業を拡大する医療AI企業「RSIP Vision(過去記事参照)」は、MRI検査画像から前立腺がん病変を抽出し、PI-RADSスコア算出に必要な情報を提供する新しいAIツールを発表した。

RSIP Visionの発表によると、同社のPI-RADSアシスタントはディープラーニングアルゴリズムによって、前立腺の軟部組織を正確に区別し、がん病変の径、体積、信号強度、扁円の平滑さを自動検出する。ツールは過去と現在のスキャン結果を比較して差分を強調表示し、PI-RADSスコアに必要な情報を読影医に提供する。

PI-RADSは2014年以降にversion 2が報告され、現在もアップデートが繰り返され、そのスコアは泌尿器科医の臨床判断を支える指標として確立されている。高齢化に伴う前立腺がん罹患者増を背景とし、前立腺MRI検査の利用は拡大し続け、現場の負担は増している。新しいAIツールによって、作業負担の軽減、検査時間の短縮、スコアリングの精度向上を図ることは、その先のより良い臨床成績につながることが期待できる。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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