英NHSで検証が進む「前立腺がんMRI診断AI」

Lucida Medical社の前立腺がんMRI診断AI「PI」が欧州CEマークを取得したことは以前に紹介した(過去記事)。同社は英国NHSが運用するハンプシャー病院(HHNFT)主導のもと、臨床試験「PAIR-1: Prostate AI Research-1」の開始を発表している。

Lucida Medical社によると、同研究では最大2,100人の前立腺がん患者記録から、AIソフトウェアの調整と性能検証を行う。「前立腺がんの見逃しと過剰な生検を低減する」という予備調査の結果に対し、今回の後ろ向きコホート研究によってさらなるエビデンス構築が進むか、NHS病院が保有する高品質なデータに基づく成果が期待される。

英国では毎年4.7万人の男性が前立腺がんと診断され、1.1万人が亡くなっているという推計がある。前立腺MRI検査に必要とされる医療資源の大きさや診断精度のばらつきは、NHSにとって前立腺がん検診にMRIを導入する障壁となっている。AIによる診断プロセス改善の可能性は、領域を問わず今後ますます注目されていくだろう。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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