全身3Dイメージでメラノーマを探索する世界最大級プロジェクト

オーストラリアは皮膚がん、特にメラノーマ(悪性黒色種)の発症率が世界で最も高く、年間約28,000人が新たに診断されるとの推計がある。そのため同国は、皮膚がん診断に関する先端技術への研究開発が盛んな土地柄として知られる。

クイーンズランド大学は、3Dイメージングシステムで全身のほくろやシミを追跡し、メラノーマの早期発見を行う世界最大規模のプロジェクト「ACEMID: Australian Centre of Excellence in Melanoma Imaging and Diagnosis」を主導している。同臨床試験では、米Canfield Scientific社の装置「VECTRA WB360」を用い、全身の皮膚を3D画像化しAIによる解析を加えて、メラノーマのスクリーニングを行っている。

ACEMIDでは、皮膚がん研究でオーストラリアを代表する3つの大学、クイーンズランド大学・シドニー大学・モナシュ大学が連携し、遠隔医療ネットワークによる全国データベースが構築され、研究者は撮影された10万枚規模の患者画像にアクセスできる。ACEMIDの概要はクイーンズランド大学医学部のYouTubeチャンネルでも公開されており、こちらも併せて視聴いただきたい。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。