認知症患者の介護者向け支援アプリが不足

NPJ Digital Medicine誌からこのほど公開されたレビュー論文によると、アルツハイマー病患者の一般介護者(非専門家介護者)を支援するためのmHealthアプリケーションは現状、全く需要を満たしておらず、領域は常にイノベーターを必要としているという。

米カリフォルニア州ポモナに所在するWestern University of Health Sciencesの研究チームは、その論文の中で「アルツハイマー病の介護者を支援するアプリケーションがほとんど存在しない」ことを指摘している。また、米国立老化研究所(National Institute on Aging)は現在、アルツハイマー病介護者を支援する84件の研究に資金を提供しているが、代表的なmHealth研究には利用可能な技術として包括的な介護者支援が含まれていないという。特に、アルツハイマー病の早期診断とともに、介護者を「患者のケアマネジメントに組み込むための機能」が決定的に不足することに言及する。

介護者のメンタルサポートは広くその重要性が叫ばれているが、病院受診が遅れがちな介護者にとって、日常的介入を実現し得るmHealthアプリは大きな可能性を内包している。著者らは、産官学にわたるmHealth技術の開発者・研究者に注意を喚起しており、「このギャップをチャンスと考える」よう呼びかけている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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