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胎児の超音波スクリーニングを支援するAIモデル研究

嚢胞性ヒグローマ(cystic hygroma)は、胎児の頭部や後頸部に現れる嚢胞状病変で、ダウン症候群など先天性の染色体異常と強く関連している。現在は、妊娠12週前後の妊娠第1期から第2期に超音波検査でスクリーニングされているが、時として胎児の生命を脅かすケースもあるため、さらに信頼性の高いスクリーニング手法の開発が期待されている。

カナダ・オタワ大学では、嚢胞性ヒグローマの超音波診断を支援するAIモデル研究を進めており、その成果はオープンアクセスジャーナルのPLOS ONEに掲載された。オタワ病院で集められた約300件の胎児超音波検査の画像データセットからモデルは構築され、性能検証においては嚢胞性ヒグローマの識別精度として93%、感度92%、特異度94%、ROC曲線下面積0.94を達成している。

研究を主導しているオタワ大学医学部のMark Walker氏は「本研究では、比較的少ない数のトレーニングデータでも非常に優れたモデルを構築できた。将来的には、画像をクラウドにアップロードする国際コンソーシアム構想を持っており、中低所得国の医師がクラウドを活用した読影・診断を行えるようにしたい」と語っている

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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