アルツハイマー病(AD)における脳萎縮は、認知機能の低下や神経原線維変化のトポロジカルな拡がりに関連している。「ADは単一の疾患である」という従来仮説に対し、「ADは複数の異質な疾患の集合である」とする異質性仮説を支持する研究成果が、近年多く公開されるようになった。
スウェーデンのカロリンスカ研究所のチームは、MRIに基づく構造的特徴の差異により、AIのサブタイプを特定するAI研究を進めている。5日、Nature Communicationsから公表した研究論文によると、4つの国際コホートで取得したMRIデータに基づき(AD患者891名/健常対照者305名)、ベイズクラスタリングによるパターン分析を行なった。チームは、脳萎縮の特徴から5つの異なるサブタイプを発見し、互いに認知的特徴や進行パターンが異なり得ることを明らかにしている。
著者らは「これら5つの萎縮パターンは、ADに対する保護因子や危険因子、他病態の併存を複雑に反映している可能性がある」とした上で、縦断研究を含めたサブタイプの多面的評価により、疾患の異質性をより深く理解する必要があることを強調している。
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