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ネパールの医学生における「AIへの意識」

世界的にヘルスケアにおけるAIの役割が拡大するなか、医師・医学生に対する「AIへの意識」を調査した研究報告が増えている。ネパールのKIST Medical Collegeなどの研究チームは、同大学の医学生および研修医に対して同種調査を行い、その結果を公表した。

Advances in Medical Education and Practiceから23日公開された研究論文によると、妥当性が既に検証されているカナダの質問票を利用し、216名の医学生および研修医へのアンケート調査を実施している。回答者の半数が「AIによって医師の仕事が減ることを歓迎」していた一方、「ネパールの現医療体制は、AIを十分に活用できる状況にない」とし、特に「医療者においてAIに関する知識が不足している」ことを認識していた。

現在のネパールの医学生教育においてAI関連カリキュラムはほぼ無く、学生・研修医は「AIが個々の患者や医療制度に与える影響について知らない」という実態が浮き彫りとなった。著者らは「ただし、回答者の『AIについて学ぶ意欲が非常に高いこと』はポジティブな兆候であり、将来的なカリキュラムの変更を成功させる強力な指標となる」としている。

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