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CT画像の体組成データから疾病リスクを予測

CT画像には種々の体組成データが含まれるが、日常診療で活用されているものはごく一部である。米ウィスコンシン大学マディソン校のチームは、AIアプローチにより、腹部CTに基づく体組成データからその後10年間の疾病リスクを予測する研究を行い、その成果を公表した。

Radiology誌に掲載された研究報告では、腹部CTから体組成(脂肪・筋肉・大動脈石灰化)を自動判定するAIツールを開発している。次に、それら体組成データからその後10年間の心血管イベント、死亡、脆弱性骨折(骨粗鬆症に由来し日常の軽負荷で生じる骨折)を予測するために有用となる男女別の「しきい値(閾値)」を導き出した。また、死亡リスクマーカーとして予測性能が高いものは、男性では「筋肉量の減少」、女性では「大動脈石灰化」であることを示している。

著者らは本研究の結果から、腹部CTの体組成データと男女別のしきい値を、死亡・心血管イベント・脆弱性骨折リスクの予測に臨床適用できる可能性を主張する。近年では、加齢による筋肉量減少と筋力低下を示す「サルコペニア」が注目され、健康寿命との重要な関係が議論されるなか、CT画像がもつ精緻で豊富な体組成データはさらにその価値を高めようとしている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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