米フロリダ州タンパにメインキャンパスを置くサウスフロリダ大学(USF)の研究者らは、音声から疾患診断を行うAIツール開発と、ベースとなる音声データの収集に取り組んでいる。
USF Healthで耳鼻咽喉科に勤めるYael Bensoussan医師は、同大学の「ヘルスボイスセンター」のディレクターで、本研究を主導する。人が話す際の声帯振動と呼吸パターンを含むあらゆる音声特徴が、健康状態を反映する潜在的情報を含んでいることを指摘し、現在は5つの主要な領域(神経障害・音声障害・気分障害・呼吸器障害・発達障害)における疾患診断の可能性を模索している。
この種のAI開発自体は極端に目新しいものではないが、患者音声データを広範に収集し、オープンソースとして公開することを狙うこの取り組みは大きな注目を集めている。現時点ではUSFやコーネル大学など、米国内10の学術研究機関の協力を得てプロジェクトを推進している。なお、米公共ラジオ放送(NPR)が、Bensoussan医師による解説音声を公開しているので参照のこと。
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