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血液検査で出生前に先天性心疾患を識別

米オークランド大学などの研究チームは、AIと遺伝子バイオマーカーを活用した血液検査により、胎児の先天性心疾患を出生前に特定できる可能性を明らかにした。研究成果はAmerican Journal of Obstetrics and Gynecologyから公開されている。

米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国では33人に1人の乳児が先天異常の影響を受けており、乳児死亡の主要原因の1つとなっている。また、障害を抱えて生き延びた児も、生涯に渡って認知的・身体的・社会的問題を抱えるリスクが高まるとされる。研究者らは「全ゲノムとAIベースの解析は、母親の血液サンプルに循環する胎児DNAから、心障害の兆候を正確に検出できる可能性がある」との仮説に基づき、ゲノムデータに複数のAIモデルを組み合わせ、先天性心疾患の発症に重要となる遺伝子経路の変化を特定しようとした。結果、最も性能の高いモデルでは、心血管系の発生過程や機能、先天性心疾患、心肥大、心血管系疾患に関連するエピジェネティックな変化や遺伝子経路の変化を高い精度で検出することができた。5種類の全ゲノムバイオマーカーを組み合わせたこのモデルは、感度98%、特異度94%、AUC 0.97を達成していた。

低侵襲な新しい先天性心疾患識別法は、高リスク児のスクリーニングと、出生後の効果的な介入計画策定に活用できる可能性を持つ。一方、「研究成果の検証には、さらに大規模な前向き研究が必要」である点にも著者らは言及する。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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