心血管疾患(CVD)は、1990年から2010年にかけて年齢調整死亡率が21%減少したにも関わらず、世界の死亡者数は31%増加している(参照論文)。効果的な管理を難しくしている要因として、CVD患者の4人に1人が5つ以上の合併症を持つことが挙げられる。多病態患者群の理解を進め、個別化治療戦略を実現するものとして、AIを含むデータ駆動型アプローチに大きな期待が集まっている。
European Heart Journalから11日公開された論文では、特に心血管医療に着目し、AI技術をヘルスデータに適用することの意義と理由をまとめ、当該アプローチを臨床データセットに対して適用し、日常診療に関連する新しい知見につなげるための明確な事例を紹介している。技術を医療関係者に広く開放しようとする本報は、機械学習手法の選択に関する技術的基礎にまで触れており、循環器系疾患へのAI活用を考える読者にとって有益な論文となっている。
Artificial intelligence to enhance clinical value across the spectrum of cardiovascular healthcare
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