Vygon社が開発する「Free O2」は、医療従事者が設定した酸素飽和度を保持するため、酸素の流量を自動調整することのできるモニタリングデバイスだ。同社は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者におけるこの自動化酸素療法がもたらす影響を検証し、結果を公開している。
Vygonによると、500人以上のCOPD患者を対象とした検証により、手動モニタリングと比較して「最適な酸素飽和度へのコントロール」が56%改善していたほか、21%のコスト削減を実現したとしている。また、低酸素や高酸素に伴う合併症の発症を抑制し、COPD患者の入院期間を30%短縮することができた。これまでマニュアルで調整していたプロセスから医療従事者を解放するとともに、臨床アウトカム・医療経済の両面を改善するシステムには大きな期待が集まる。
Vygonでビジネス開発マネージャーを務めるBeverley Jones氏は「直感的なタッチスクリーンにより、医療スタッフはFreeO2をすぐに使いこなすことができる。この技術により、患者の離床をより迅速に行うことができ、集中治療室への搬送を減らすことができる」とした上で、スタッフの直接的な負担軽減と、血中酸素飽和度に関する臨床プロトコルを遵守していることの安心感を得られる点を強調している。
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