医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例最新医療AI研究カナリアスピーチ - 患者の声を使ったメンタル評価

カナリアスピーチ – 患者の声を使ったメンタル評価

米ニューヨークに拠点を置き、AI駆動のメンタルヘルスツールで知られるOPTT Healthはこのほど、ユタ州に拠点を置き、患者音声からメンタル症状を捉えるソリューションを提供するCanary Speech(カナリアスピーチ)とのパートナーシップを発表した

公表によると、今回のパートナーシップにより、OPTTのAIメンタルヘルスケアツールボックスは、患者が声だけでサービスと対話ができるようになることで、患者体験が向上するとしている。つまり、精神科疾患への対応においても最も大切な「長期的モニタリング」を、よりシームレスかつユーザーフレンドリーに行うことができるようになるという。OPTT HealthのCEOであるMohsen Omrani氏は「効率的なテクノロジーを駆使した医療は、これまでニュアンスや質感に欠ける多肢選択式の問診に頼ることが多かったため、対面での問診のような親密さと正確さを再現することはできていない」とする。

今後は、OPTT独自の自然言語処理アルゴリズムを用いて、メンタルヘルスの課題に関する語りの中から症状発現を示唆する言語を検出するだけでなく、カナリアスピーチの技術により、声の高さやトーンの微妙な変化を検出できるようになる。これらの技術を用いたメンタル評価の合理化・自動化は、人為的なミスを低減する可能性もあり、精神科疾患のリスク検出や診断、治療、フォローアップへの活用が期待されている。

関連記事:

  1. 音声と表情からパーキンソン病を早期発見
  2. 音声から疾患を捉える
  3. Winterlight Labs社 – 音声から認知機能障害の経時的変化を検出
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事