ChatGPTは幅広いトピックに関する質問を処理し、回答するように訓練されたAI言語モデルで、医学教育テーマの問題解決にも活用が進みつつある。全インド医科大学(All India Institute of Medical Sciences)の研究チームは、基礎医学教育の1つであり、感染症診断学に直結する「微生物学」の知識を問うことで、ChatGPTの適用可能性を調査している。研究成果は12日、オープンアクセスジャーナルのCureusから公開されている。
チームの研究論文によると、能力別医学教育(CBME)カリキュラムに準じ、微生物学の全領域から96問を作成した。問題の妥当性は微生物学専門家3名により、外的に評価されている。ChatGPTの回答は専門家によって0-5の評価スケール(5が最高)で採点された。結果、回答の平均スコアは4.04であり、微生物学全般について十分に優れた理解がある水準を示していた。一方、微生物学のトピックごとに精度のバラつきが認められ、特定のトピックでは成績が安定しない事実も確認されている。
著者らは「このモデルは約80%の精度で微生物学問題に回答しており、ChatGPTが生物学領域における自動質問応答ツールとして有効である可能性を示唆している」とする。医学教育を含めた学術的な使用に適したものとするためには、さらなる言語モデルの性能向上は必要である点も併せて言及している。
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