退院サマリーから肝硬変患者を識別

肝硬変は慢性肝疾患の最終進行段階として、米国で死因の第9位を占める。肝硬変患者への早期介入は、肝組織の線維化・瘢痕化までの猶予を得て、合併症の予防にも貢献できる。しかし、従来の国際疾病分類による患者状態の把握には一定の限界があった。米サウスカロライナ医科大学(MUSC)の研究チームは「電子カルテ内のテキストデータから肝硬変患者を高精度に識別するAI手法」を開発している。

Journal of Clinical Gastroenterologyに掲載された同研究では、肝硬患者446人と他疾患のコントロール患者689人の退院サマリーを用い、肝硬変患者を識別する畳み込みニューラルネットワークを構築した。その結果、同モデルはAUCとして0.993という高い識別性能を達成した。電子カルテ内テキストから肝硬変患者を抽出する本アプローチにより、既存手法を超える正確な初期評価につながることが期待されている。

著者でMUSCの医療情報学教授のJihad Obeid氏は「AIモデルが退院サマリーのテキストだけで肝硬変患者を識別できたのは驚くべきことだ。疾患のさらなる早期検出を目指したい」と語った

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