Vital – 患者のケア参加を促すAIプラットフォーム

米デラウェア州クレイモントに拠点を置くVital社は、患者体験を改善するAIプラットフォームを提供する。同社は先週、同システムの成長を支援するため、シリーズBとして2470万ドル(約32.2億円)の資金調達を行ったことを明らかにした

Vitalは、患者のケア参加を容易にする医療機関向けソフトウェアで、AIと自然言語処理を用いて、救急部や一般病棟に入院中の患者を支援・教育することができる。患者は、退院に向けた進捗状況の把握、サービスや物品のリクエスト、目標の設定、検査項目の表示、家族との健康状態の共有などをスムーズに行うことができる。同ソリューションはユーザーの「使いやすさ」に焦点を当てた設計となっており、スマートフォンからアクセスでき、アプリダウンロードやパスワードは不要であることも特徴となる。Vitalは患者満足度を向上させ、患者をネットワーク内にとどめ、医療システムに追加的な収益をもたらすことも検証から明らかにしている。

Vitalは昨年、Allina Health、CommonSpirit Health、Emory Healthcareの施設を含む40以上の新しい病院クライアントと提携し、ソフトウェアソリューションの対象患者を拡大してきた。検査結果ツールなどの新機能を加えるとともに、テクノロジーと医療における業界のベテランをチームに加え、大きな成長を遂げた。同社は2023年、100万人以上の患者を取り扱い、10万件の臨床業務をサポートすることを見込んでいる。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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