米カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者らは、脳磁図(MEG)に深層学習手法を適用し、麻痺や四肢切断患者における「ハンドジェスチャーの高精度な識別」に成功したことを明らかにしている。
Cerebral Cortexに掲載されたチームの研究論文では、じゃんけん時のジェスチャーを解読するためのMEGセンサーベースのBCIニューラルネットワーク(MEG-RPSnet)を開発している。独自の前処理パイプラインと畳み込みニューラルネットワークを併用することで、ジェスチャーを正確に分類しており、12人の被験者において平均85.56%の分類精度を確認した。あわせて、中枢-頭頂-後頭葉領域センサーや後頭側頭領域センサーのみを用いた場合でも、深層学習モデルが全脳センサーモデルと同等の分類性能を達成することも明らかにしている。
チームは研究結果を受け、「非侵襲的なMEGベースのBCIアプリケーションは、ハンドジェスチャーデコーディングにおける将来的なBCI開発で有望である」と結論付けている。
参照論文:
Magnetoencephalogram-based brain–computer interface for hand-gesture decoding using deep learning
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