患者が予約時間に遅刻することは混雑の原因だけではなく、限りある医療資源の浪費につながり、サービス効率に悪影響を及ぼす。サウジアラビアのKing Saud bin Abdulaziz大学の研究者は、AI/機械学習を用いた「外来予約に遅れて到着する成人患者の予測モデル」を構築している。
オープンアクセスジャーナルのCureusで公開されている同研究では、リヤドの三次医療機関における外来受診患者34万人、108万件の外来予約に対して4種の機械学習モデルを適用した。遅刻予測モデルの学習データセットには、年齢や性別などの患者情報に加え、天候情報、予約時刻や到着時間などの情報が含まれている。遅刻に分類された受診は全体の11.7%(約13万件)であり、遅刻患者予測モデルのうち最も優れた結果はランダムフォレストに基づくもので、正解率98.88%・再現率99.72%・適合率90.92%という高い予測精度を示していた。
本研究から示された外来遅刻に影響する予測因子として、年齢(65歳以上は65歳未満に比べて遅刻しやすい)、性別(女性患者は男性患者に比べて遅刻しやすい)、天候(気温が最も強い予測因子)が挙げられている。これらの予測モデルは、外来予約スケジューリングにおける効率的で正確な意思決定を支援し、医療サービスの最適化に貢献することが期待される。
参照論文:
The Use of Machine Learning to Predict Late Arrivals at the Adult Outpatient Department
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