疼痛は人類に広く蔓延する健康問題の1つであり、実に成人の5人に1人が何らかの慢性的な痛みを感じている。特に疼痛と精神科疾患の間には強い関連が指摘され、予防や疾患コントロールのためにも疼痛評価は重要となる。
英King’s College Londonの研究チームは、電子カルテ記録にフリーテキストとして散在する「痛みへの言及」を抽出するため、疼痛に関連する表現を手作業でラベル付けしたコーパスを構築した。研究成果は26日、JMIR Formative Researchから公開されている。723名の患者から1,985件の臨床文書を収集し、これにラベル付けを行った。最も一般的な疼痛特性は慢性疼痛であり、部位として最も頻度が多かったのは胸部であった。
チームが構築したコーパスは、メンタルヘルス領域の電子カルテ記録において、痛みがどのように言及されているかをよりよく理解するのに役立つとともに、疼痛評価を目的とした「機械学習ベースのNLPアプリケーション」を開発するための基礎となることが期待される。
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