COVID-19のパンデミックは、医療リソースの適性配分と患者トリアージの重要性を浮き彫りにした。これを受けて、米イェール大学の研究チームは「次世代ウイルス感染症への対応を強化するための、AIトリアージプラットフォーム」の開発に取り組んでいる。
Human Genomicsに発表された同研究は、COVID-19の重症度や入院必要期間に関連する情報を予測する機械学習モデルの構築を中心に行っている。このモデルは、COVID-19患者の臨床データや併存疾患などの情報を活用し、以下の3点、1.疾患の進行と入院期間のリアルタイム予測、2.入院期間を誤差5日間以内で推定、3.重症度と集中治療室への入院可能性予測、を組み込む。本モデルの検証結果から、特に注目すべきバイオマーカーとして、血中好酸球濃度が上昇している患者は予後が悪いこと、陽圧換気や挿管管理が必要な患者では血漿セロトニン濃度が低下していること、などが挙げられている。
研究チームはさらに、機械学習と臨床データを統合し、患者が病院に到着する前の段階で、その状態管理や必要な医療リソースを予測し、効率的な対応を図るためのトリアージソフトウェアの開発も行っている。著者のGeorgia Charkoftaki氏は、「我々のAIトリアージプラットフォームは、典型的なCOVID-19の予測モデルとは一線を画しており、今後発生するウイルス感染症に対処するアプローチの基礎となるものだ」と語った。
参照論文:
An AI-powered patient triage platform for future viral outbreaks using COVID-19 as a disease model
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