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卵巣がん早期発見のための個別化アプローチ

米ジョージア工科大学・統合がん研究センター(ICRC)の科学者たちは、機械学習と血液中の代謝産物に関する情報を組み合わせることで、93%という高い精度で卵巣がんを検出できる新しい検査アプローチを開発した。研究成果はこのほど、Gynecologic Oncologyからオンライン公開されている。

卵巣がんは、発症早期は無症状であることが多く、治療が困難となる発症後期まで発見されないことから、サイレントキラーの一種とされる。末期卵巣がん患者の平均5年生存率は、治療後でも30%程度に留まるが、卵巣がんを早期に発見し治療した場合、平均5年生存率は90%以上となる。研究者らは、メタボローム・プロファイルと機械学習ベースの分類法を組み合わせた統合的アプローチを開発した。特徴的であるのは、個々の代謝産物の正確な化学組成を知らなくても、質量分析によって検出された「異なる個人の血液中の異なる代謝産物の存在」だけでも、正確な機械学習ベースの予測モデル構築に特徴として組み込むことができるという知見を活用する点だ。血液中には数千もの代謝産物が循環するが、これらを質量分析によって容易かつ正確に検出し、機械学習と組み合わせることで高精度な予測モデルを達成した。検証は、ジョージア州、ノースカロライナ州、フィラデルフィア、カナダ西部の女性564人を対象に行われた。

研究チームは、この検査が「臨床症状を示さない女性の超早期病変を検出できる可能性」があるとしており、さらなる研究継続を明らかにしている。

参照論文:

A personalized probabilistic approach to ovarian cancer diagnostics

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