米ニュージャージー州に本拠を置く製薬大手Merck(米国・カナダ以外ではMSD)はこのほど、Merck Digital Sciences Studio(MDSS)の立ち上げを公表した。これはアーリーフェーズにある生物医学分野のスタートアップを支援するもので、特にAIアプリケーション開発に主眼を置いた企業を優先的に採用するという。
同社の公表によるとMDSSは、採用スタートアップに対しての直接投資に加え、Azureクラウドコンピューティングへのアクセス、科学者などMerckが保有する専門人材による技術支援、などを提供する。現在、MDSSの1期生として、12のスタートアップを募集している。Merck Research LaboratoriesのFiona Marshall副社長は「MDSSは、重要なイノベーションを促進するためのツールや専門知識を利用可能な、協力的で野心的な環境を提供する」と述べる。
スタートアップ創業者が持つ技術シーズを妥当なプロダクトに仕上げ、迅速に市場投入することを考えた際、グローバルヘルスケアリーダーの支援を受けられることには大きな意味がある。また、MDSSにはMicrosoftの協賛があり、同社はMicrosoft for Startups Founders Hubを通じて、Microsoft 365やAzureなどへのテクノロジーアクセス、専門家によるビジネスアドバイスや技術サポートも提供するという。
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