頭部外傷は、日常生活における転倒や交通事故、スポーツなど様々な状況で発生する。その際、CTスキャンを含む高度な画像検査を必要とするかの臨床判断は容易ではなく、過度に安全を期するとあらゆる症例でのCTスキャン施行から逃れられなくなる。米BrainScope社は、軽度外傷性脳損傷(mTBI: mild traumatic brain injury)患者の脳波から、脳震盪や脳出血の評価を行うAIツールを開発している。
同AIツールは、センサー付きのヘッドセットを患者に装着し、脳波データを記録・解析することで頭部外傷に伴うリスク評価を行うもの。機能別に、「脳出血のリスク評価(SIC: Structural Injury Classifier)」「脳震盪受傷時の脳機能評価(BFI: Brain Function Index)」「脳震盪受傷後の復帰判断指標(CI: Concussion Index)」などをラインナップする。
BrainScope社は、サプライチェーン管理および臨床改善サービスで業界最大手の米国企業「Vizient社」(過去記事参照)との技術提携をこのほど発表し、製品の導入拡大を計画している。BrainScopeの最高医学責任者であるDiku Mandavia氏は「顧客となる病院においては、BrainScopeのツール使用によってCTスキャンを30〜60%削減できることが実証されている。このことは、患者と救急部の双方に即時的な利益をもたらす」と語った。
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