集中治療室の患者に頻発する急性腎障害(AKI)に対する「早期の発症予測」は、介入に十分な猶予を与え、患者予後を改善し得る点で重要となる。台湾・台中栄民総医院の研究チームは、AKIを発症の24〜48時間前に予測するAIモデル開発に取り組む。
11月3〜6日に開催の米国腎臓学会(ASN)のKidney Week 2022で発表された同研究では、2015〜2020年に台中栄民総医院のICUへ入院した患者16,785名(うち30.8%でAKI発症)を対象に、尿量や血清クレアチニン値など60の予測因子に基づくAKI予測モデルを構築した。異なる4つの医療センターで行った外部検証の結果、AUCは0.785〜0.864で、臨床的有効性を示唆する予測性能を示していた。
本研究では、異なる病院間で効果的で安全なモデルの統合を可能とするため、連合学習を用いたプラットフォームを構築しており、予測性能の向上を実現している。チームでは、早期予測モデルが予後不良なAKIに対するタイムリーな介入と発症予防に寄与することを期待している。
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