創薬スタートアップ企業のInsilico Medicine社は、AI研究者や科学者に対して、AI創薬を発展させるための共同研究への参加を促した。Insilico Medicine社は、AIによって主に加齢に伴う疾患の治療薬を開発しており、今回の公開型の共同研究は、創薬のためのAIを強化することが狙いである。
AIは機械学習によって大量のデータの中から規則性や判断基準などを抽出し、アルゴリズムを発展させることで、新たな事象を予測可能にする。すなわちAIによって創薬を行うためには、化合物や生体分子の反応をまとめたビッグデータが必要になるが、ほかの分野に比べてほとんど整備されていないのが現状である。Eurek Alert!によると、Insilico Medicine社はすでにビッグデータの基盤となるプラットフォームを開発している。今回の研究は、世界中の化学者やAIの研究者の協力によってデータを充実させ、プラットフォームを発展させることで、AIによる創薬を行いやすくするのが目的であるという。
News Medicalによると、Insilico Medicine社は、12月4日にアメリカのボストンで開催されるAI創薬の会議で、何らかの発表を行う予定だという。会議のテーマは、AI創薬の問題点やこれからの発展などとされているため、今回の共同研究についての新しい情報が発表される可能性もあり、注目が集まっている。