急性リンパ芽球性白血病(ALL)は、「最も頻度の高い小児がん」として知られている。米フロリダ大学の研究チームは、ALLの主要な治療薬について遺伝学的アプローチによる調査を行い、重大な合併症の発現を予測するAIモデルを構築した。
JCO Precision Oncologyから23日公開された研究論文によると、フロリダ大学の学術医療センターであるUF Healthで治療を受けた75人のALL患者について、化学療法の毒性データとDNAサンプルから評価を行った。研究チームは、がんの寛解にとって特に重要な期間となる「治療開始後100日以内」にみられた副作用について検討したところ、毒性に強く影響を与える3つの遺伝子変異を特定し、これらとその他の遺伝子変異を組み合わせた機械学習モデルがALL治療における強力な毒性予測を達成したとしている。
研究チームは成果に基づくスコアリングツールを導出しており、特定の化学療法実施前にそのリスクを臨床医が把握するための貴重な情報となる可能性を強調している。これにより、ハイリスク患者への重点的なフォローや薬剤投与量の調節、合併症発現を防ぐための支持療法強化などを行うことができるようになる。
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