入院患者の退院計画を合理化・簡略化するため、関連ツールへのAI利用が進む。豪・アデレード大学の研究者らは、機械学習アルゴリズムによって、患者の退院をリアルタイムで正確に予測する「アデレード・スコア(The Adelaide Score)」を開発した。
アデレード大学が報じたところによると、同研究では南オーストラリアの外科患者9,000名の入院生活を分析し、アデレード・スコアのベースとなるアルゴリズム構築を行った。データには何万回もの病棟ラウンドノートが含まれ、バイタルサインや血液検査データが入力されている。結果、構築されたスコアの性能は、一般外科患者における12時間以内および24時間以内の退院を80%以上の精度で正しく予測できるという。
アデレード大学医学部外科部長のGuy Maddern教授は「アデレード・スコアが今後10年以内にオーストラリアの全ての病院で主流となるのを期待している。このプロジェクトは、南オーストラリアのみならず、世界中の病床キャパシティを把握する画期的な手段となる可能性がある。どの国の医療システムも入院加療の需要から大きな圧力を受けており、アデレード・スコアのような取り組みが重要となる」と語った。
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