カルディオインテリジェンスは、循環器領域におけるAI開発を手掛けるヘルステックベンチャーだ。2019年の創業以来、“世界中の人に医療DXと不整脈診断を届ける”を目指し、心電図のAI自動解析支援システムの開発を進めてきた。2022年12月にはソフトウェア医療機器『長時間心電図解析ソフトウェア SmartRobin AI シリーズ』を上市し、長時間心電図における医療機関の業務負担軽減とともに、不整脈患者の診断を支援してきた。
同社は、2023年8月25~28日に開催された欧州心臓学会議(ESC2023)で発表を行ったことを明らかにしている。これは、同社で開発した治験機器『非発作時の心電図から発作性心房細動の兆候を検出する人工知能による心電図自動解析システム』の臨床現場における性能評価のため、多施設共同(国際医療福祉大学三田病院、藤田医科大学ばんたね病院、小川聡クリニック)で行った医師主導治験の結果を示すもの。主要評価項目である心房細動の兆候検出に関して、事前に設定した目標性能を上回る感度・特異度の推定値を確認し、また、本治験機器に起因する有害事象や不具合は認められなかったとしている。
世界的にも、未発見の心房細動による脳梗塞発症は増加傾向にあり、本治験機器が製品として社会実装されることで、脳梗塞の発症を大きく減らすことが期待されている。同社は現在、本ソフトウェア医療機器の実用化を進めており、本年度中に薬事承認申請を実施する予定。なお、本治験はAIを用いた革新的なSaMDの実用化に向け、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医療機器開発推進研究事業の支援に基づき実施されている。
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