2型糖尿病(T2DM)においては、SGLT-2阻害薬およびGLP-1受容体作動薬が、心腎保護効果を含む重要な治療選択肢である。しかし、血糖コントロール不良例においてどちらを優先すべきかを示す客観的指標は未だ確立されていない。このような背景のもと、中国の研究チームは機械学習を用いて患者特性に基づき最適な治療選択を予測するモデル「TiP DecScore」を開発し、その成果をNature communications medicineに発表した。
本研究は、中国の多施設データベースを用いて、SGLT-2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬を新規導入した血糖コントロール不良のT2DM患者を対象とした。勾配ブースティング決定木(Gradient Boosting Decision Tree)によりTiP DecScoreを開発し、その結果AUCは0.71〜0.78を示した。6か月時点では、罹病期間が短く、空腹時Cペプチド値、ALT、BMI、LDLが高値の症例でGLP-1受容体作動薬が優先され、12か月時点ではHbA1cおよびBMIが高値の症例で同薬が推奨された。さらに、推奨薬と実際の処方が一致した群は不一致群よりもHbA1c達成率が高かった。
本研究は、リアルワールドの大規模データと機械学習を統合し、2剤間の治療選択を定量的に支援する実用的なモデルを提示した。一方で、血糖変動のリアルタイム評価を含まないことや、追跡可能な症例のみを対象とした選択バイアスといった限界がある。研究者らは「今後は糖尿病合併症の長期リスクや持続血糖モニタリングのデータを活用し、より精度の高い予測モデルの構築を目指す」と述べている。
参照文献
A machine learning model for optimizing treatment of patients with poorly controlled type 2 diabetes
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