AIプラットフォームでプライマリケアを提供するニューヨークのスタートアップ企業K Healthは、32億円(2,500万ドル)の資金を調達した。同社は2016年の創業以来、総額で48億円(3750万ドル)を調達したことになる。彼らはこの資金によってマーケティングを強化し、また製品の精緻化や更なる研究を進めるようだ。
共同創業者のAllon Bloch氏は、Techcrunchのインタビューで以下のように説明した。「子供が頭痛を訴えたらあなたは医者役としてまず2つ質問するでしょう。『どこが痛いの?』と『どういう風に痛いの?』です。その後は本物の医者による鑑別診断が必要です。吐き気の有無、異例の出来事があったか、旅行に行ってきたかなど、医師は幅広い知識により、緊張からくる頭痛なのか、ほかの原因によるものなのかを判断します」
K Healthのプラットフォームは、この鑑別診断プロセスをシミュレーションするもので、無料の携帯アプリに実装されている。このアプリは、ユーザーが質問に答えると、3〜4分かけて、医師による記録や薬物統計など過去20年間、20億にのぼる医療データを参照し、類似する症状を比較診断するというものだ。
MedCityNewsによれば、今回の資金は、2019年に開始される「アプリ内ヴァーチャル来院」にも使われるという。この新機能により、ユーザーはプライマリケアまたはER医師に直接アクセスでき、自己負担診療費用よりも安い価格で利用できるようになるという。K Healthはこの分野を独占しているわけではなく、競合他社としてボストンのBuoy HealthやバルセロナのMediktorなどが挙げられるが、K Heathによれば、同社が優位に立っているポイントは基幹データセットの豊富さにあるということだ。