英Imperial College London(ICL)の研究チームは、AIを利用し、卵巣がん患者の生命予後や治療反応性を正確に予測するシステムを開発した。従来の予後予測に比べても高い精度を示しており、卵巣がん患者の治療法選択を助ける画期的な技術として注目を集める。
ICLが15日公表したところによると、このAIシステムは、CT画像上の微細な変化を捉えることで卵巣がんを独自に層別しており、従来のサブタイプや進展度から行う分類とは全く異なるという。研究を率いたEric Aboagye教授は「この技術は臨床医に対し、患者が他の治療法にどういった効果を示すのかを提示することで、より正確で個別化された決定を促せる」としている。
がん治療の発展は著しいが、進行期の卵巣がんにおいて長期予後は非常に不良であり、これまでの画一化された治療方針での打開は難しかった。英Evening Standardの報道で、研究チームは「AIはヘルスケアの在り方を変える潜在能力を秘める」としており、医療AIによるブレイクスルーは今後も続く見通しも示した。