英ロンドン大学の公的研究機関であるThe Institute of Cancer Researchは、人工知能を利用し、乳がんの新しいタイプを発見したと公表した。これまで同一種と捉えられていた乳がんのうち、治療反応性の違いから再分類を行ったところ、新しい5種類の乳がんを同定したという。
ScienceDailyが報じたところによると、研究チームは乳がん細胞のゲノム配列と分子データから治療反応性の違いを推定する機械学習アルゴリズムを構築したという。これらの新しいタイプのうち、2種は他の乳がんに比べて免疫療法への反応が良く、1種はタモキシフェン(ホルモン療法に使用される抗悪性腫瘍薬)の使用で再発リスクが高まることなどを明らかにしている。
この研究チームは以前にも、同等の手法を利用して大腸がんの新タイプを示しており、現在は臨床試験において新タイプ分類の有効性を検証している。今回の研究成果はオープンアクセスジャーナルnpj Breast Cancerにて公開されており、リンク先から全文を確認することができる。