医療分野でAI技術を評価できる人材の重要性(過去記事)はあらゆる場面で繰り返し提唱されている。では実際のところ病院を率いるリーダーはAIに対してどのように向き合っているだろうか。米国AI関連企業のOliveが全米115名の病院責任者・役員に調査したところ、AIあるいは類似概念RPA: Robotic Process Automationについてよくわかっていたのはわずか半数であった。
Health IT Analyticsの報道では、リーダーの半数以上がAI/RPAの提供会社や解決手法を自ら指名することができておらず、AIに対する理解が意思決定に大きな影響を与えていることが解説されている。また、同分野に投資しようとしているリーダーは全体の23%、そのうち半数が導入予定時期を2021年までとしている。米国でも全体として医療業界はAI導入の初期段階にあることが示唆された。
米国に限らず、今回のAIブームをきっかけに新しく取り組む医療関係者は目に見えて増えた。一方、保守的な姿勢を続ける人との二極化は進む印象がある。もちろん、医療におけるAI活用の難しさは過熱したブームの後を追う形で指摘が続いている。きちんとした科学的検証をせずに先端技術に飛びつくのは賢明とは言えないだろう。しかし、よく理解した上で懐疑的で慎重になることと、知ろうとしないこととの間には深い断絶がある。果たして日本における病院のリーダー達はどうだろうか?