WHOは世界で4億5000万人が精神疾患の影響を受けていると推定し、21世紀最大の健康課題のひとつとされる。しかし、不安・うつ・依存症といった精神状態の人々の3分の2が専門医療の助けを求められていないという指摘があり、負のイメージや差別が根強いことも理由のひとつと考えられる。
Forbesでは、AIによってメンタルヘルスに対する認識をより広く変化させようと取り組むロンドンの企業BioBeatsを紹介している。創業者のDavid Plansは、自身が2003年に過労とストレスから意識不明となり救急搬送された経緯をもつ。彼はインタビューに対して「メンタルヘルスを無視するリスクを直接知って、自身の考えが間違っていたことを確信しました。AI研究者であった私は、同じようなことが二度と起こらないよう警告するシステムを構築しようとしました」と語った。
アプリBioBeatsは、睡眠・身体活動・心拍の変動などをウェアラブル機器から収集、ストレスを分析することで精神疾患の予防に取り組む。ユーザーが自身の精神状態に対して取り組むヒントを提供し、潜在的な危険を掘り起こす。「技術だけでは精神疾患は解決せず、人々の病気に対する意識を変容させることが願いです」とDavidは強調して更なる開発を進めている。