「アレクサ、今日の薬を教えて」AmazonのAI音声アシスタントAlexaに、そのような質問で自身の服薬を管理する時代となってきた。米Amazon.comはAlexaに服薬リマインダーと処方薬の補充を管理させるプログラムを11月26日からペンシルバニア州・オハイオ州・メリーランド州など一部の米国地域で開始している。同地域には大手スーパーマーケットチェーンGiant Eagleが店内薬局を展開しており、同社との提携でサービスが実現した。
米メディアFox Businessの報道によると、サービスの提供地域でユーザーがAlexaのスキルを有効にすると、Giant Eagle内の薬局との連携で内服をアラートしたり処方薬の補充と配達が行われる。プライバシー保護のため個人用パスコードが作成されセキュリティに配慮されている。ユーザー自身がこれまでAlexaのリマインダー機能に行わせてきたような服薬管理方法を公式サポートする形といえる。
Amazonは小売ECの巨人としてユーザーに最も近いラストマイルを強みとし、ヘルスケア領域で特に薬局業界への進出が著しい。2018年にはオンライン薬局PillPackを10億ドルで買収。またジェネリック医薬品メーカーAurohealthとの提携でPrimary HealthというOTC市販薬のブランドを立ち上げている。Amazonは今後も提携先を増やし、今回のパイロットプログラムのサービス地域の拡充を狙う構えという。日本国内で薬のリマインダーについてAlexaスキルは複数存在しているが、実在する処方箋と連動するサービスは未だ提供されていない。