米マサチューセッツ州ケンブリッジを本拠とするスタートアップnferenceは、シリコンバレーのベンチャーキャピタルと手を組んだメイヨークリニックなどから、6000万ドルの資金を調達した。nferenceは2013年に立ち上がったソフトウェアスタートアップで、非構造化データを含めたあらゆる生物医学情報を統合・利用可能なプラットフォームの開発を目指している。
Endpoints Newsが報じたところによると、nferenceはAIを利用し、医療画像や各種検査結果、ゲノム配列などだけではなく、構造化されていない生物医学情報である学術論文や症例報告、臨床メモに至るまでを解析可能なプラットフォームの構築を目指しているという。まさに医療分野における知の統合を目指す同社は、デジタル化の進むヘルスケアにおいて、指数関数的に増加している生物医学データの総体に真っ向から取り組む。
nference創業者でCSOのVenky Soundararajan氏は「人間の専門家に取って代わるビジネスではない」と強調する。同社プラットフォームが目指すのは、医学領域における研究者がR&Dプロセスの任意の時点で、あらゆる相談が可能なワンストップショップ機能の提供であるという。つまり、それが新しい化合物の生成に関することであれ、臨床試験の設計に関することであれ、「エビデンスに基づいた強力なアドバイスと解決策を得られる場」ということになる。散逸する科学的エビデンスの効率利用を実現する革新的ソリューションとなるか、大きな期待が寄せられている。