中国の武漢から感染が拡大した新型コロナウイルスに対して、WHOは先週、国際的な緊急事態を宣言した。各国が事態の沈静化に協働するなか、AIは今回のような公衆衛生の危機にどのように立ち向かうことができるのだろうか?
Forbesでは、その一例としてカナダ発のスタートアップBlueDotのAIを紹介している。米国疾病予防管理センター(CDC)がコロナウイルスに対する独自の警告を発したのが1月6日。それに先んじること1週間前の12月31日に、BlueDotのAIプラットフォームによる最初の警告が発せられていたことで話題となった。BlueDotはトロント大学の感染症科の医師で公衆衛生部門の教授であるKamran Khanらによって開発された。彼はかつてSARSが流行した際に最前線で医療に従事した経緯をもつ。BlueDotのAIプログラムは、世界の航空ネットワークなどの膨大なデータを処理して国際的な感染症アウトブレイクに警告を発することができるという。
Kamran Khanは「BlueDotでは自然言語処理と機械学習の利用で、65言語の膨大なテキストデータを処理し、24時間体制で15分ごとに100以上の疾病の発生を追跡しています。この作業を人力で行うことに時間とエネルギーを費やすのではなく、医療専門家らが実際の対応方法に集中することを可能にしたいのです」と語っている。