フランス・パリに本拠を置くBioSerenityは、生体センサーを活用した遠隔診断・患者モニタリングソリューションを展開する研究開発型スタートアップとして知られる。このほど、同社の研究チームは「重症のCOVID-19患者において珍しい脳波が計測されている」とする研究結果を報告した。
Annals of Neurologyに公開されたチームの論文によると、COVID-19の一部重症患者において、説明のつかない精神状態の異常・意識消失・覚醒遅延・反応不良などがみられることから、探索的な脳波測定を行ったという。調査された26名の患者のうち5名の脳波には、前頭葉に定常的な異常発火を確認しており、これが中枢神経障害との関連を示唆するものであるとする。
本研究はケースレポートに近く、以後のさらなる知見集積が望まれているが、近年における生体センサーの利用拡大はこの種の新たな病態・病因の解明に繋がり得るメリットもある。BioSerenityは保有するデータを患者治療に活かすため、医療者への提供も検討している。