Medipathはフランス最大の民間病理ラボネットワークとして知られるが、悪性腫瘍検出のためのAIソリューションを広く導入することを公表した。これにより、フランス全土170を超える病院・診療所において、AI診断支援サービスが日常臨床ルーチンに取り込まれることとなる。
Medipathが21日明らかにしたところによると、導入されるのはIbex Medical Analyticsが開発したGalen Prostateで、前立腺生検によって得られた組織標本を自動解析し、病理医による初期診断と不一致が生じた際に警告を発することができる。Galen Prostateは既にCEマークを取得しているとともに、臨床研究においては悪性腫瘍検出についてAUCで0.997と非常に高いパフォーマンスを示すなど、リアルタイムでの悪性所見の見逃し予防に期待が大きい。
フランスでは病理医の数が不足する一方、病理診断を要する標本数は年ごとに増加しており、病理医の業務負荷が問題となっている。Medipathでイノベーションテクノロジー部門を率いる医師のDelphine Raoux氏は「我々のAI導入は、Medipathにとってだけでなくフランスの病理学およびがん治療における分岐点と言えるだろう」としている。