米カリフォルニア州ブリスベンに本拠を置くCaption Healthは、AIによるリアルタイムナビゲートによって、超音波検査への習熟が無い者でも「診断に寄与する高品質な画像」を得られるCaption Guidanceテクノロジーで知られる。同社はこのほど、このAIシステムにおける新たな研究成果を公表した。
Caption Healthが明らかにしたところによると、ESC Congress 2020で公開されたこの研究成果は、超音波検査の経験がない8人の看護師がそれぞれ30名(計240名)の患者に対し、Caption Guidance下での経胸壁心エコーを実施した結果から得られたものであるという。未経験の看護師らによる施行で、植込み型除細動器のある患者で80%以上、無い患者では90%以上において、右心室のサイズと機能を評価するのに十分な画像が得られた。また、Caption Guidanceを使用していない「心臓超音波を専門とする検査技師」と比較したところ、スキャン精度に明らかな差異はみられなかったとのこと。
Caption Guidanceのディープラーニングモデルは、500万を超えるプローブ動作の観察によってトレーニングされており、その高いナビゲート精度には定評がある。Caption Healthは本年2月に米食品医薬品局(FDA)の承認を取得したほか、7月には同社のシリーズBラウンドとして5300万ドルを調達するなど、臨床現場における一般的システムとしての展開を着実に進めている。