心臓の不整脈をモニタリングする技術で業界をリードするiRhythm Technologies(過去記事)は、米サンフランシスコを本社として英国にも支部を展開する。iRhythmは8日、英国国民保健サービス(NHS)と国立衛生研究所(NIHR)が提携し主催する「Artificial Intelligence (AI) in Health and Care Award」を受賞した。
iRhythmのプレスリリースによると、受賞によってiRhythmは競争的資金を獲得するとともに、NHSとの提携によって英国全土で同社の不整脈検出デバイス「Zio by iRhythm」の試験プログラムが実施される。3年間のプログラムで臨床成果・経済性などが評価され、NHS内でのZio採用の検討材料とされる。Zioのパッチ型デバイスは、日常生活を送る患者の心拍を持続的にモニタリングし、心房細動などの早期検出で患者の転機改善と、医療リソースの負担軽減を図る。
iRhythmの欧州・中東・アフリカ地域担当責任者であるJustin Hall氏は「英国には最先端の技術が数多く存在しながら、臨床試験から普及まで長い年月を要し、患者も医療従事者もイノベーションのメリットの多くを実感できていません。このような状況を変えるパイロットプログラムの一員に選ばれたことを嬉しく思います。国内で約120万人の心房細動患者が存在し、約50万人が発症後も未診断である現状では、正確でタイムリーな診断が生死を分けることになります。今回の受賞がZioのサービスを加速する一歩となるでしょう」と語った。