シンガポール東部に所在し、1,000床の入院病床を持つ学術医療機関・Changi General Hospital(CGH)と国立の医療情報機関であるIntegrated Health Information System(IHiS)は、入院患者の胸部レントゲン画像から肺炎の重症度を予測するAIツールを開発した。
Healthcare IT Newsが6日報じたところによると、このAIエンジンは、3,000を超える胸部レントゲン画像と、各種検査結果や病歴を含む200,000のデータポイントから生成されたという。CAPEと呼ばれる同システムは、胸部レントゲン画像単独から1. 短期入院程度の低リスクな肺炎の可能性 2. 死亡リスク 3. 集中治療を要するリスク をそれぞれ高精度に推定することができる。研究チームによる初期の検証試験においては、肺炎重症化を80%の精度で識別しており、これは手動で行う従来のスコアリング手法に匹敵するとのこと。
研究チームは、CAPEはスタンドアロンのデスクトップアプリケーションであるとしており、既存のシステムに対して組み込みが非常に容易であることを強調する。現在、シンガポール総合病院を含む複数の公的医療機関において、臨床データの追加取得とこれによるAIエンジンの精度向上に努めている。