中国のIT大手・Tencent(騰訊)は、近年ヘルスケア領域への進出を加速させている。10月19日から22日に渡って開催される「China International Medical Equipment Fair」では、2つの新製品を公表し大きな話題を集めている。
BioSpectrumが20日報じたところによるとTencentは、医療画像を含む医療データの共有ツール、および医療AIアプリケーションのワンストップ・プラットフォームを公開した。前者は患者・医療者間の医療データ共有を強化するもの。患者は自身の医療画像や各種検査結果を一元管理し、病院間の情報共有をツール上から承認できるため、不要な重複検査を回避し医療の効率化に資するものとなる。後者はTencent AIMIS Open Labと名付けられ、AI開発と運用にかかる全プロセスを単一のプラットフォーム上で完結するもので、医療AIに関するエコシステム構築を狙う。
現在、Tencentの医療クラウドプラットフォームには23の製品が設定されるなど、急速な業界進出を推進する。米中のAI開発競争が激化するなか、中国を先導するITの雄は、ヘルスケアという大規模マーケットを次世代戦略の中核として見据えている。