ワクチン接種率の高まりに従って、米国ではCOVID-19による入院率低下と人工呼吸器の必要性減少が観察されていたが、デルタ株は再び一部地域で人工呼吸器の深刻な不足を引き起こしている。各医療機関において人工呼吸器の数には限りがある一方、COVID-19患者のうち、どの患者に人工呼吸器が必要になるかを早期に判断するための一貫した信頼できる方法はなかった。
米ケースウェスタンリザーブ大学の研究チームは、COVID-19患者が人工呼吸器による呼吸補助を必要とするかどうかを予測するAIツールを開発した。2020年にCOVID-19と診断された約900名の胸部CTスキャンデータからAIモデルはトレーニングされており、患者が人工呼吸器を必要とするかどうかを84%の精度で予測できるとする。研究成果は、IEEE Journal of Biomedical and Health Informaticsから公開されている。
研究チームは今回の成果に基づき、同大学病院およびLouis Stokes Cleveland VA Medical Centerにおいて、実際のCOVID-19患者を対象とした臨床評価を検討している。医療スタッフが胸部スキャンのデジタル画像をクラウドベース・アプリケーションにアップロードすることで、人工呼吸器の必要性を予測し結果を戻すAIシステムの構築に取り組んでいる。
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