AIを利用することによって、それぞれの患者に合った薬を提供することが可能になるかもしれない。患者に合った治療法を提供するオーダーメイド医療によって、通常では個人差が出やすい副作用を軽減したり、主作用を最大限に伸ばすことが可能になる。
各個人に合った治療法と聞けば、薬の組み合わせを思い浮かべる人が多いかもしれないが、AIの発展によって、薬そのものを分子レベルで設計して患者の体や症状にあったものにすることも可能になると、betanewsは報じている。具体的には、患者のDNA配列分析や検査の結果を元にして、狙った体の部位に効率的に作用し、かつその患者にとって副作用の少ない分子をAIによって設計し、薬品として使用するのである。しかし、AIが設計した薬の中でも実際に使用できるものの割合が少ないため、現在の段階では非常に多くのコストがかかってしまうという問題もある。
このような研究をする企業の一つに、アメリカのPrecision Therapeuticsがある。同社はHelomics Corpと協力し、主にガン患者を対象としたオーダーメイド治療について研究している。オーダーメイド治療はまだ発展途上の分野であるが、この研究が成功すればさらなる発展につながる可能性が大きく、注目が集まっている。