わたしに最適なダイエット方法をAIが決める時代

photo by iStock

個人で異なる腸内細菌の分布や血糖値の変動をAIで解析し、ダイエット方法など栄養学の領域で個人にとっての最適解を導こうとする動きがある。万人に共通のダイエット食品や健康食品は存在しない、という当たり前の結論も証明できそうな時代に突入している。

The New York Timesの記事で、心臓病専門医で分子医学の教授Eric Topolが、自身の参加したプロジェクトを紹介している。リアルタイムで記録された血糖値など各種生体データおよび腸内細菌のAI解析結果を、その期間内の食事内容と照合して、個人に有用あるいは避けるのが望ましい食品をランク付けする試みだ。例えばチーズケーキはA、イチジクのシリアルバーはC-のように、血糖値の急激な変化を避けることや、糖代謝に関連する細菌Bacteroides stercorisの分布などから評価されている。

2015年に学術誌Cellにイスラエルのグループが発表した、食事と血糖値変化が腸内細菌叢により個別化されることを機械学習アルゴリズムで解析した研究が、この領域の進化の端を発している。AIで医療の個別化がすすむなか、自分に適した食事あるいは安全なダイエット方法を根拠をもって再評価できるようになってきた。「Siri、私は何を食べればいい?」その答えが返ってくる時代は決して遠くないだろう。

前の記事米NeuroMetrix社 電気刺激による鎮痛療法の効能向上にAI応用
次の記事Amazon ハーバード大学病院とAI技術で提携へ
TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。