米NeuroMetrix社 電気刺激による鎮痛療法の効能向上にAI応用

Photo by iStock

鎮痛に電気刺激を利用することは古くから取り組まれてきた。経皮的末梢神経電気刺激(TENS)は、急性から慢性まで鎮痛効果をもつ医療技術として採用されている。その効能効果は見解が分かれるが、電気生理学とAI技術の発展が期待されている分野である。

米NeuroMetrix社はウェアラブル機器開発のヘルスケア企業だが、同社のQuellという下肢に装着するウェアラブル電気刺激装置が、各種疼痛への効能効果でFDAの認可を受けている。Medical Design & Outsourcingのインタビューでは、大規模なユーザーデータに機械学習を適用し、疼痛部位・疼痛の感度・年齢・性別・体重・肌の状態・基礎疾患・気象などの条件に最適な電気刺激のエネルギー量や頻度を調整する計画があるという。

高齢化に伴ってコントロールの難しい疼痛の例は増加しており、多種多量の鎮痛薬が処方されているにも関わらず有効な結果の得られていないケースも少なくない。鎮痛という個別性が高く経験的な医療の領域に、鎮痛薬以外の安全な技術がAIにより発展するのは歓迎すべきだ。日本理学療法学会誌に収載された、女性の月経痛にTENSの効果を検証した日本国内の報告など、その応用範囲も興味深いところである。

前の記事Samsung 欧州放射線学会にAI画像診断装置を展示
次の記事わたしに最適なダイエット方法をAIが決める時代
TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。