矯正歯科の意思決定支援AIツール

矯正歯科治療において抜歯は不可逆的な治療であり、最も重大で論争の的となる決定の1つである。一方、矯正歯科治療におけるこの種の判断は、「歯科医の経験に依存するところが大きい」という現実もある。米コネチカット大学の研究チームは、歯科医の意思決定を支援するAIモデルを開発している。

コネチカット大学の矯正歯科准教授であるMadhur Upadhyay氏らによって申請された特許によると、医学文献と専門家判断のネットワークを利用し、機械学習手法によって構築されたアルゴリズムは、矯正歯科医の評価に賛成か反対かを示し、もし否定的な結果であれば診断の不一致に至った原因を特定するため、歯科医に再考を促すというもの。

Upadhyay氏は「2人の矯正歯科医がいた場合、程度の差こそあれ、診断する患者の50%の部分は意見が一致しないだろう。皆が同じ文献を読んでいても、異なる解釈をしている。AIは文献の解釈を同化し、より正確な手法で解釈する作業を非常にうまくこなすことができる」と語った

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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