前クリーブランドクリニックCEOはなぜGoogleに加わったのか

米国は民間病院の数が圧倒的に多く、常に激しい競争にさらされているためそのレベルも高い。クリーブランドクリニックは、メイヨークリニックやマサチューセッツ総合病院などと比肩する巨大民間病院として知られ、高い医療技術と優れた経営面は安定した評価を受け続けている。2017年まで同院で10年以上に渡りCEOを務めたToby Cosgrove氏は、なぜ突如としてGoogleに加わったのか。

米バージニア大学のメディカルスクールを卒業後、マサチューセッツ総合病院でインターン、ボストン小児病院や英国の有名病院に勤務するなど心臓血管外科医としての華々しいキャリアを築いてきたCosgrove氏。Healthcare IT Newsによる同氏へのインタビューでは、ヘルスケアAIの持つ可能性に大きな期待を示すとともに、「我々はデータの海を泳いでいる。ヘルスケア関連データはたった73日で倍になってしまうんだ」と話し、Google参画はビッグデータ時代のエキサイティングな選択であったことが透けて見える。

Googleは過去に、Google Healthの閉鎖という憂き目を経験しているが、ヘルスケア市場へのAIを用いた積極展開の姿勢を崩していない。AI関連のエンジニアやリサーチャーだけでなく、著名臨床家を多数抱き込むなど、多面的な進出には業界全体からの大きな注目を受けている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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