米国は民間病院の数が圧倒的に多く、常に激しい競争にさらされているためそのレベルも高い。クリーブランドクリニックは、メイヨークリニックやマサチューセッツ総合病院などと比肩する巨大民間病院として知られ、高い医療技術と優れた経営面は安定した評価を受け続けている。2017年まで同院で10年以上に渡りCEOを務めたToby Cosgrove氏は、なぜ突如としてGoogleに加わったのか。
米バージニア大学のメディカルスクールを卒業後、マサチューセッツ総合病院でインターン、ボストン小児病院や英国の有名病院に勤務するなど心臓血管外科医としての華々しいキャリアを築いてきたCosgrove氏。Healthcare IT Newsによる同氏へのインタビューでは、ヘルスケアAIの持つ可能性に大きな期待を示すとともに、「我々はデータの海を泳いでいる。ヘルスケア関連データはたった73日で倍になってしまうんだ」と話し、Google参画はビッグデータ時代のエキサイティングな選択であったことが透けて見える。
Googleは過去に、Google Healthの閉鎖という憂き目を経験しているが、ヘルスケア市場へのAIを用いた積極展開の姿勢を崩していない。AI関連のエンジニアやリサーチャーだけでなく、著名臨床家を多数抱き込むなど、多面的な進出には業界全体からの大きな注目を受けている。